トカゲなる日々

劇団万国トカゲ博覧会の生態

観劇日記

rose ローズ」マーティン・シャーマン作、志賀澤子出演@オンガージュ・サロン

を観てきましたよ。

年老いた女性の身の上語りという体裁の一人芝居でして、途中で集中力が切れるかもしれないな・・・・・・と初めは及び腰だったのですが、主人公の人生がすこぶるドラマティックかつ省略する部分は思い切りよく省略されていたので(気が付いたら結婚してたり)杞憂でした。
あと話の途中で「何の話してたんだっけ?」とか「あ、薬の時間(がさごそと薬を取り出して飲む)」とかいういかにも老人風な台詞が、個人的に秀逸だったと思います。

作品全体を通して、主人公が自分をユダヤ人だとはっきり意識していたのが印象的でした。私はそんなことを意識して生きて来なかったからです。外国籍の観客の方が「『ここは自分の居場所じゃない』と思いながら日本で暮らして来たから、他人事だと思えなかった」と話しておられて、自分のこの境遇はたまたまなんだなあと思いました。
と書くと、いかにも説教臭い芝居を想像されるかもしれませんが、そんなことはないです。上品な笑いあり、ペーソスありのいかにも良質アメリカ演劇な感じでした。

東京では月1ペースで上演されているとのことですので、出張のついでにでも是非。

スポンサーサイト

ヒキオタ語の習得

Sherlock: A Study in Pink

買っちゃいました。
名探偵ホームズの物語を21世紀版にアレンジしたBBCテレビドラマ「Sherlock」を漫画化したものです。
これを見ながらDVDを見れば字幕無しで観れる!英語の勉強にもなって一石二鳥!

と思った私が甘うございました。
ホームズが朗々と謎解きをするシーンが見所なんですが、ホームズのしゃべりが速い速い。
天才肌で協調性も無いという原作に忠実なキャラなので、自分には自明のことを他人にいちいち説明してやるのが面倒なご様子です。ぶっちゃけ早口のオタクっぽいしゃべりで、現代風アレンジが効いてて良いですね。・・・・・・とか言ってる余裕も無い位に速い。
まだきちんと読んでませんが、スラングはあまり出て来ない様です。でホームズもワトソンもそんなに訛りはないと思いますから、彼らのしゃべり方を真似すれば本場でも通用する!
と思ったんですけどねえ。ホームズのしゃべりに付いていくには相当な修練が必要ですし、彼の真似をしたところで「日本人ってやっぱりオタクなのね」と思われるのがオチの様な。

ドラマ自体は大変おもしろいので、皆カンバーバッチ氏を観たら良いと思います。

前回の続き

戯曲というものは、劇作家が、人間の力を超えるなにものかと緊張感を以て対峙しているという地点からしか生産されないだろう。人間の力を超えるなにものかと緊張感を以て対峙している地点から生産されていないならば、どのように精緻な会話とどのように巧妙な構造を持った作品も戯曲とは呼べないだろう。シェイクスピア、ベン・ジョンスン、コルネイユ、ラシーヌ、オニール、イプセン、みな一様にその最盛期には、人間の力を超えるなにものかとの対峙に緊張感をみなぎらせていた。

三十年近く前に書いた文章で、今から見ると少々意気込みすぎていますが、ここに挙げた劇作家たちがいずれもその最盛期において、運命、歴史、社会矛盾、そういう不可抗なものと対峙する緊張した姿勢を持っていたことは確かです。
木下順二 「“劇的”とは」 岩波書店 1995年 p75


続きを読む

天の神様の言う通り

円城
そういう書き方なり方針なりを突き詰めていくと、テンプレート(雛形)さえ作ることができれば、そこに登場人物の名前や動詞を放り込んでいくことによって自動的に「物語」を作っていくことも可能ですよね。極端なことを言えば、作家という存在自体いらなくなるんじゃないかとも思うわけです。少なくとも、ある種の作家は機械の速度に負けたりすることになるかもしれない、と。

長尾
いやでも私もですね、研究生活のなかで、コンピュータ上でテンプレートを作り、そこに単語を放り込むことによって文を作るという試みにずいぶん時間を費やしたんですよ。だけれども、そこからはあまり意味のある表現が生まれないんです。だからいくらやってもおもしろくはならない。円城さんの作品だって、円城さんという人が関与して初めてああいう形になったわけですよね。

円城
確かに、現状では創作行為をすべて機械化することは難しいんですよね。でも・・・・・・ちょっと話が変わるのですが、長尾さんは「短歌」の自動生成プログラム「星野しずる」というものをご存じですか?いま、というかこのプログラム自体は2008年から存在して一部で話題になっていたのですが、佐々木あららさんという自身も歌人である方が作られたプログラムで、「星野しずる」というものがあるんです。(中略)
ただなんとなく受け取るだけならいいんですけれど、歌人の方なんかは星野しずるが詠んだ歌を見ていると、“酔って”しまうという話があったりしておもしろいんです。歌の背後にいる人格が掴めなくて気持ちが悪くなってくるとか。

長尾真×円城塔対談 「未来に伝えるべき“物語”を求めて」 第1弾・第2弾 Matogrosso 2010/05/24,2010/06/03

続きを読む

萌え擬人化の必要性

ロバート・フォワード竜の卵」 早川書房 1982年

を読みました。大層おもしろかったです。


『地球人が異星人を発見したので接触を試みる』という王道のお話でした。著者は物理学の研究者ということで、理論の難しい部分は文系の私にはよくわからなかったんですが、設定の作り込みに知識の深さを感じました。
しかしその異星人の形状につきまして。
以下、大したネタバレじゃないと思うんですけど。





続きを読む
次のページ

FC2Ad