トカゲなる日々

劇団万国トカゲ博覧会の生態

萌え擬人化の必要性

ロバート・フォワード竜の卵」 早川書房 1982年

を読みました。大層おもしろかったです。


『地球人が異星人を発見したので接触を試みる』という王道のお話でした。著者は物理学の研究者ということで、理論の難しい部分は文系の私にはよくわからなかったんですが、設定の作り込みに知識の深さを感じました。
しかしその異星人の形状につきまして。
以下、大したネタバレじゃないと思うんですけど。





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古典はつながって行くのだ

・・・・・・それだけなら、『アナバシス』のテーマは悪漢の物語とか英雄喜劇のタネにもなるだろう。一万人のギリシア傭兵が、ペルシャの王子小キュロスのいいかげんな口車にのせられて雇われ、小アジアの内陸地方に遠征して、じっさいはキュロスの兄アルタクセルクセス二世の王位を奪うつもりだったのが、クナクサの戦で敗退し、複数の指揮者を失って、故郷を遠く離れたまま、敵意にみちた住民のあいだを抜けて撤退する話だからである。彼らの望むところはただひとつ、帰国することだけだったのに、彼らの場合、なにをしても人々を危機にさらす結果を招いてしまう。一万人の武装した兵士らは、同時に腹をすかせていたから、どこに着いても、まるでイナゴの大群のように、まず略奪と破壊をおこなう。そればかりか、行軍のしんがりには、ぞろぞろと女を従えていた。
クセノポンは叙事詩にあるような英雄を立てた描き方に手を染めたり、自分たちがおかれた状況の、恐怖と奇怪さがないまぜになった様相を――ごく稀にはそういうこともあるが――愉快とするような男ではなかった。『アナバシス』は、だから、距離、地理的な目じるしになるもの、動植物の資源などを詳記した、一将校の技術的な回想記であり、また、外交上の問題、人員の配置、戦略についての問題集でもあると同時に、それぞれの問題への解答集なのだ。

イタロ・カルヴィーノ クセノポン『アナバシス』 同「なぜ古典を読むのか」 河出書房 2012年 pp.38-39


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前と違うこと

昔々、稽古をやったり役をやったりして、ピーター・ブルックが来て、「今日のあれは良かった」と。それで「明日どうする」と。今日これが良かったんなら明日もやりたいじゃないですか。安心。それが、「今日良かったから明日どうする」って。
たまに稽古なんかやると、「それいいけど、それ前に観た」って言われるんですよ。
あの方は絶えず絶えず、その人に自分で次のものを発見させようと促すのがうまいんです。
ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古」 サイモン・ブルック監督 2012年
笈田ヨシのインタビューより


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