トカゲなる日々

劇団万国トカゲ博覧会の生態

前回の続き

戯曲というものは、劇作家が、人間の力を超えるなにものかと緊張感を以て対峙しているという地点からしか生産されないだろう。人間の力を超えるなにものかと緊張感を以て対峙している地点から生産されていないならば、どのように精緻な会話とどのように巧妙な構造を持った作品も戯曲とは呼べないだろう。シェイクスピア、ベン・ジョンスン、コルネイユ、ラシーヌ、オニール、イプセン、みな一様にその最盛期には、人間の力を超えるなにものかとの対峙に緊張感をみなぎらせていた。

三十年近く前に書いた文章で、今から見ると少々意気込みすぎていますが、ここに挙げた劇作家たちがいずれもその最盛期において、運命、歴史、社会矛盾、そういう不可抗なものと対峙する緊張した姿勢を持っていたことは確かです。
木下順二 「“劇的”とは」 岩波書店 1995年 p75


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