トカゲなる日々

劇団万国トカゲ博覧会の生態

リアルタイム性

「成瀬は今口内炎の痛みに耐えつつこの文章を書いています。」
私以外には真偽の判断の付かない話ですが、これは嘘です。別に口内炎はありません。
「今この文章を読んでおられる方は、PCまたは携帯の画面を見ながら『またこいつは何をたわけたことを』と思っておられることでしょう。」
心中語はともかくとして、PCまたは携帯を見ているのは多分事実でしょう。
では問題です。
「成瀬がただ今正午をお知らせします。」
これは事実でしょうか?
私がこの文章をいつ書いたかは関係ありません。(アップロード時刻は任意に指定できます。)これを読んでおられる方、今何時ですか?

リアルタイム性という点で、芝居(舞台芸術全般)に敵うメディアはありません。芝居の観客は、上演中は客席に縛り付けられているので、情報の発し手と受け手の間で時間を共有できるのです。
以前にもご紹介しましたレイモン・クノーが『どんなテキストでも現在時刻を書けば嘘になる』という様なことを語っていました。小説をどの様に読むかは読者の好き好きですから、読者が小説を正午に読むか夜中の0時に読むか、ざっと斜め読みするか1年かけて熟読するか、著者は全く予測できないのです。どんなノンフィクションでも、こればかりはどうしようもありません。

しかしこれ、ネット小説ならあるいは解決できるかもしれません。読者がどんな時間に読んでいるのかを知ることができるからです。現在時刻の表示されるWebページは誰でも作成できます。
これを利用するとすれば①特定の時間帯以外は読めない②読む時間帯によってコンテンツが変わる、とかですかね。①はさすがに非現実的か。読む速度も人によって違いますから、読み始めてからどれだけ時間が経ったのかによってもコンテンツが変わればより親切です。
…それどんな小説だよ!と自分で激しく突っ込みたいですが、これまでの小説では実現できなかったリアルタイム性が、インターネットの普及によって可能になるかもしれないということを書きたかったのでした。

Googleで「リアルタイム 小説」で検索すると、そこそこヒットしますね。こんなのとかこんなのとか。「24」を読者の読む時間まで考慮しつつノベライズしたものがあれば近いかもしれません。そういや万国トカゲ博覧会処女公演「815」は、半藤一利「日本のいちばん長い日」に甚だしく影響を受けております。
著者が書き上げる端からWeb上にアップロードしたという小説も幾つか引っ掛かりますが、私は幾度も推敲するタイプなので、そんなのは絶対書けないです(誰も書けなんて言ってませんが)。というより、こう言ったら失礼かもしれませんけれど、別にリアルタイムにアップロードしなくても、まとめてゆっくり推敲してから公開するのでは駄目なんですか?

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