トカゲなる日々

劇団万国トカゲ博覧会の生態

みんなで演出すれば怖くない

プロデュース公演を考えています。劇場を借りるとなると照明・音響機材も大がかりになってお金もかかりますが、乗り打ちとかで気楽にやりたいんです。幸い知り合いに演出家の方が何名かいらっしゃるので、一つの短篇戯曲を複数名で演出するみたいな企画ができたらいいなと思ってるんですけど。
大阪府・Mさん(20代)


なかなか難題に思います。誰がやっても似た様な仕上がりになる戯曲では、集客もさりながら当の参加者が楽しくありません。
思い切り解釈の分かれる戯曲となると良く知られているのは「ハムレット」ですが、残念ながら長編です。候補に考えていらっしゃる演出家の方々のお名前をお聞きしますと、皆様人気劇団の売れっ子の様ですので、拍を付ける意味でも古典作品を選ぶのは一つの手段だと思いますが、短編戯曲でかつ著作権が切れているものとなると岸田国士チェーホフでしょうか(リンク先は青空文庫のサイト。翻訳者の著作権については別途確認下さい)。全員で同じものを演出するのではなく、岸田作品の中で一つ選ぶ形にする方が無難な気がします。
調べてみてわかったんですが、古典で短篇となると喜劇ばっかりなんですね。。。喜劇が駄目とは言いませんが、人によって解釈が分かれるかというと、どうでしょう。

その演出家の方々は恐らく脚本も手掛けておられると思います。それなら同じモチーフに基づいた短篇を書いて頂くのはいかがでしょうか。アラビアンナイト(Wikipediaの粗筋を読むだけで大概うんざりしますが)の話の一つ、ギルガメッシュ叙事詩等神話の下りの一つを戯曲化するというのはいかが。観客には予備知識があってもなくても良いと思います。
また以前ブログで書きましたが登場人物や初期の状況設定のみを共通にするのも、マルチエンディングストーリー的で良いのではないでしょうか。「○○という小道具を出す」とか「必ず誰かが△△という台詞を言う」等のルールを設けるのもまた一つ。

違うんだ、一つの完成した脚本を皆で演出したいんだ!ということであれば、私がぱっと思いつくのはペーター・ハントケの「観客罵倒」でしょうか。説明しますと、台詞は大量にあるものの、誰がどれを言うか書いてないのです。全て一人の台詞に見えないこともないんですが、ト書きに「話し手は4人」とはっきり書いてあるので。
以前私が音響で参加した「来年もまた一緒にここに来ようね(はあと)」も、大きに演出家と役者に左右される芝居だったと思います。ご覧になりました?役者の即興制作で作られた芝居で、脚本には実に抽象的なト書きが並んでいました。
何にしても、演出家によって変わる余地があるというのはつまり脚本に未定の要素があるということで、それを稽古の中で一つ一つ決めていくのは、脚本を新しく書きおろすよりも楽とは限りません。経費を安く済ませることと手間暇がかからないことをイコールで考えておられる訳ではないので大丈夫だと思いますけれど。そしてこれは全くの私見ですが、キャッチーな脚本には不定の要素が少なく、難解な現代戯曲には未定要素が嫌という程ある様な気がします。

バシっとお勧めできるものが無くて恐縮ですが、今回どんな脚本が必要なのか、イメージを膨らますのに役立てれば幸いです。

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