トカゲなる日々

劇団万国トカゲ博覧会の生態

2011年に読んだ本

8月から実に真面目に週一ペースで連載しておりましたが、来週は本番ということもあり、しばらく冬休みに入らせて頂きます。当ブログをチェックして下さっている神様のような奇特な方にはご了承願います。

さて年末ということで、今年読んだ本でも振り返ってみようかと思い立ちました。そんなことはチラシの裏でやれと言われそうですが、一冊でもおもしろい本を読んだことがある方なら、人に勧めたくなる気持ちはわかって頂けるかと。そんな訳で行ってみましょう。


美しい水死人―ラテンアメリカ文学アンソロジー」ガルシア・マルケス他
今年はラテンアメリカ文学に目覚めた年でした。元からボルヘスバルガス・リョサは嗜んでおりましたが、もっと多くの作品を読もうと思って手に取ったのがこちら。17人のラテンアメリカ作家の短編を集めたアンソロジーです。
17本全て外れなし。マジック・リアリズムの魅力を余すところ無く味わえる貴重な一冊です。多少とっつきにくいかもしれませんが、何せ短いしさっくり読めます。
巻末に各作家の作品紹介があるので、そこから更にラテンアメリカ文学の世界を掘り下げて行くのもまた楽し。私はこの巻末紹介で「ファラベウフ」という鼻血の出そうな本を知ったのですが、こちらはかなりエログロ度がきついので、胸を張ってお勧めできるのはやはり上に挙げた短編集の方ですね。


メグレ警視の事件簿」(偕成社文庫) ジョルジュ・シムノン
今年はメグレ警視シリーズを読み漁った一年でもありました。パリ警視庁に勤めるメグレ警視の活躍を描くサスペンス人情物です。これをライトノベルと呼んだらいけないんですかね?個人的には「鬼平犯科帳」に似ている気もしますが、鬼平好きのうちの母上はメグレには見向きもしません。
日本人はパリと言うと花の都を思い浮かべる様ですが、このシリーズで描かれるパリは実にアンダーグラウンドです。金や生活や人生に押し潰された人々の掃き溜まりで起こる犯罪を、メグレ警視が解決するというか、単にケリを付けていく、どれもほろ苦い話です。
標記の作は短編集なのと、クリスマスを題材にした話が収録されているのでタイムリーかと思い挙げてみました。


ルバイヤート」オマル・ハイヤーム
近年、小説以外の文芸作品にも触れる機会が増えて行っていることを喜ばしく思っております。
さてこちら、有栖川有栖の学生アリスシリーズを読んでいたら引用されていたので読んでみました。11世紀ペルシャの詩集です。詩です。ポエムです。食わず嫌いな方、是非手に取ってみましょう。1000年の時の差なんて感じません。個人的には源氏物語より余程おもしろいです(笑)。岩波文庫版の小川亮作訳は口語訳ですし。
編者には申し訳ないのですが、初めから順番に読まなくても、開いたところから好きに読めばいいのが詩集の良いところだと思います。続きが気になって止められないなんてことも無いですし。


2011年は就職氷河期だったり不景気だったり、また一つ無駄に歳を食ってしまったりして(これは毎年か)色々しんどいことも多かったのですが、こうして振り返ってみると文化的には得るところの多い年であったと思います。来年も良い本がたくさん読めるといいなあ、というところで締めましょう。皆様良いお年を。

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