トカゲなる日々

劇団万国トカゲ博覧会の生態

春ですね

医者や薬剤師が患者に薬効を説明することはあっても、自分で薬を飲んでそれを確認する必要はありません。八百屋が呼び込みをすることはあっても、自分の店に並んでいるピーマンを(必ずしも)おいしいと言って食べる必要はありません。人間好き嫌いはあります。がしかし脚本家は、自分の脚本をおもしろいと思って書く必要があるか。

おもしろいという定義は大いに主観に依るにも関わらず、プロの脚本家(というかお金をもらって書く人。よってこの場合チケット代を取るのは全てプロと見なせます)は、自分がおもしろいと思うものではなくプロデューサーや観客が求めるものを提供する必要があります。しかも場合によっては「○○というアイドルを主役にして下さい。彼は忙しいので演技の練習はできません。オタクに見えて実は体育会系のイメージでよろしく。あとスポンサーがねじりん棒の会社なので、ねじりん棒をメインで出して下さい。これまでにない作風を期待しています!」みたいな注文に応えながら。

どうやったらそれができるのか、わかっていたら私はとっくに芸能界入りしておる訳で。自分がおもしろいと思うものを他人がおもしろいと思うとは限らないし、他人がおもしろいと思うものなんて結局はわからないことを皆知ってる筈なのに、「バンド活動に専念したいから仕事を辞める」とか「大学を辞めてお笑い専門学校に入る」とかいう人が後を絶たないのは何故なんだろうかと。
芸能界のブラックさもさりながら、何人以上におもしろいと言われなければ採算が取れないとかいう計算が立ちにくいのも一因かもしれません。“大多数がおもしろいと思うものを書く方法”が論理的にも経験的にも確立されていない以上、一旗揚げに東京に向かう若者は、幸福を呼ぶ100万円の壺に騙される人に似ていなくもないです。
春の異動の季節でちょいちょい苦い気持ちになったので。人生色々ですね。

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