トカゲなる日々

劇団万国トカゲ博覧会の生態

ミステリ演劇

ミステリで言う叙述トリックというのは、例えば

Q.田中君は初デートで彼女と遊園地に行きました。緊張した田中君がトイレに駆け込んだところ、男子トイレは故障でもしたのか長蛇の列。男性が女子トイレに入ればさすがに見咎められますし、警備員さんが居るので立ち○ョンなんてもっての他。しかし田中君はこの難関を易々とクリアしました。一体どうしたのでしょう?

A.田中君は女性でレズビアンだったのです。女性を君付けで呼ぶことは珍しくありません。

みたいな感じのを言います(お粗末様)。密室云々ではなく、そもそもの前提について読者をミスリーディングする仕様になっているのです。

上記の例で考えればわかるかと思いますが、叙述トリックのミステリ小説を映画化するのは非常に困難です。ところがこれ、演劇だと割といけます。場面も人物も、色んなものがファジーなままで進められるからです。小説の映像化ではなく最初からそうした作りの映画なら多少は見受けられますが、演劇ほど楽ではないです。

というのを思い付いたので書いてはみたものの、これだけではちょっと短いので。
叙述トリックに限らず、P.T.企画さんを観ればミステリと演劇の親和性はなかなか高いのではないかと思われます。観たことのない方は是非。
つまり演劇はミステリ方面に進出すれば、優れた叙述トリック小説の舞台化を始めとして動員がっぽがっぽのボロ儲けではないか!しかし現実にはそうなっていません。何故か。

舞台にのせておもしろいミステリというのが意外にハードルが高いから、というのが挙げられると思います。見栄えのするトリックも必要ですが、俳優という生き物はやはり人間ドラマを演じたいと思っていて、観客もそれを観たいと思っているのではないでしょうか。そしてそれはミステリの在り方と関わる問題で、ミステリには怪奇要素とパズル要素が混在します。怪奇小説家であるエドガー・アラン・ポーがミステリの祖となったのは、血みどろの事件、犯罪を犯す人間の心理がミステリの魅力の根底にあるからでしょう。
つまり巷にはパズル的に非常に優れたミステリ小説も数多くありますが、舞台にかけることを前提にするなら更に人間ドラマ要素も充分兼ね備えた台本が必要ということで、書き手が非常に選ばれてしまう訳です。

アガサ・クリスティーの「ねずみとり」はギネス記録のロングラン公演が続いています。ミステリとの親和性が高いからといって、ほいほいヒット作が出るということでもないのですね。

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