トカゲなる日々

劇団万国トカゲ博覧会の生態

小ネタ2つ

…カフカはとにかく書くスピードが速かった。ほとんど句読点を打たず、改行もせずに一気にバーッと書き続けて、あの『判決』を一晩で書き上げたらしい。なにしろ万年筆の滑りをすごく気にしたというぐらいで。…『変身』も二回ほどの休みを入れて、一気に書き上げたと。…
もし、将来パソコンで小説を書いてライブで公開されるようになったとしたら、著者が書くのと並行して読者は小説を読めるようになりますよね。どんなに書くのが速いといっても、打つよりは読むほうが速いわけで。一度書いた文章を修正するところや、書きあぐねて手が止まったら、そのあいだは画面も止まることになる。そう考えると、いまの本というかたちは、読者が自分勝手なペースで読めるようになってるわけだから、もうそれだけで十分読者の側に立ってる(笑)。

高橋悠治・保坂和志「対談 ピアニスト、作家、あるいはカフカ」
文學界』2012年2月号 p227-228

あまり行かない図書館であまり読まない雑誌を立ち読みしてみたところ、おもしろい文章に出くわしました。 以前リアルタイム小説についてつぶやいたことがありますが、こういうリアルタイム小説の可能性もあるんですね。
太宰の「駈込み訴え」は口述で一気に語りおろしたと聞きます。「山月記」なんかは第一稿は普通の口語体で書かれていたのが、何度も推敲する内にあの漢文調になったのだとか。そういった過程を、その作家のファンでない読者にもおもしろく読める様に(できるのか?)すれば、立派なリアルタイム小説としてジャンルが確立しそうです。

その2。 これまで小説の挿絵というのは、文章の途中の適当なところで1ページ、もしくは見開き2ページを使って挿入されるのが主流であった訳ですが、電子書籍であれば

  • 文章の区切りの良いところで表示する
  • 別窓で表示する
  • 文章の背景に表示する(これは紙でもできるか)

という様な挿入の仕方になる訳ですよね。文章中のここぞ!というところで絵が挟まる様になる、少なくとも紙の本ほどには挿入位置が曖昧にはならなくなる。
これっていいことなんだろうか、とふと思います。あの曖昧さはむしろ美点ではないのかなと。別窓で表示するにも、別窓へのリンクをどこに作るかがまた問題ですしね。

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