トカゲなる日々

劇団万国トカゲ博覧会の生態

時の流れは残酷で

何となく筒井康隆氏のファンでして。ツツイストという程でもないですが。
学生時代はいわゆるスラップスティック短編集を読み漁り、長じて難解な実験作を読んでシビれておりましたが、ふと先日、久々に古いドタバタものを読みましたところ。
おもしろくない。
どういう訳だ。

文学的技巧に対しては全く文句ないのですが、「万年係長」とか「精神科に通うのは世間体が悪い」とかいう表現に、世代間格差をひしひしと感じる様になってしまったのです。昔「成瀬さん就職に困ってるんだって?」と相談に乗って下さった年配の方から、応募期間を過ぎてから履歴書を送ったのに電話一本で採用が決まっただの、毎週金曜日は15時で仕事を切り上げて皆で野球をしただの、古き良き時代の話を延々聞かされて殺意が湧いたのと同じ感じです。
星新一氏も時代の流れに合わせて「電話のダイヤルを回す」の様な古いテクノロジーに則った表現を書き改めるということをしていましたが、父が働いて母は専業主婦なのが当たり前という昭和文化まではさすがに書き直せなかった様です。
私の実家は「娘が25歳までに結婚しなかったら勘当する」と得意気に曰う年寄りが普通に居るド田舎だったので、子供の頃は気付かなかったんでしょう。で、都会に出てリーマンショックやら何やら世間の荒波に揉まれる様になって、今愕然としている訳です。

登場人物が固陋な考えの持ち主だからといって作者も同様とは限らないし、むしろ筒井氏はそういった人間の愚かさを鋭く抉る作風の持ち主です。
ただ、昔おもしろいと貪り読んだものが今そうでないのは、何というか、寂しいですね。あ、筒井氏ファンは辞めませんよもちろん。

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