トカゲなる日々

劇団万国トカゲ博覧会の生態

客席は少ないに限る

平田オリザ 「新しい広場をつくる 芸術立国論概要」 岩波書店 2013年

を読んでおもしろかったので皆読めばいいのに、というのが本日の主旨。

劇場法制定に絡めた話が多かったのですが、個人的には、海外の劇場は大きくても小さくてもプロデュース公演を行うものだというのが、前から知ってはいましたが興味深かったです。
劇場がプロデュース公演を行う→評判が良ければロングラン(会場をよそから借りている訳ではないので上演期間を自由に決められる)→舞台美術費用などの固定費を回収し、興業収入を黒字にできる→公演プログラム自体を他の劇場に売る→他の劇場で上演し、更にロングラン→買った劇場はチケット代で収益が出るし、売った劇場の評判も上がる、という黄金サイクルが成り立っているんだそうです。羨ましい限り。
特に羨ましいのが、ロングランができるなら一回の公演の客席数を必ずしも多く設定しなくても良いことです。日本の小劇場演劇・商業演劇とも、公演日数が数日に限られていると、登場人物数を増やす・超大物俳優を呼んで集客力を上げるとともに、数百~千人規模の客を収容できる大劇場を使用しなければ採算が取れないのです(これも本文中で語られていたことですが)。大劇場の派手な芝居が好きでない私としては嬉しくない。突撃金魚さんが以前やっておられた様な、少数の客席で濃密な舞台の方が好きなのです。

とはいうものの、貢献利益が黒字でなければロングランの意味が無いですよね。公演すればするほど赤字がかさむのでは仕方がない。じゃあ最低何人呼べば良いの?
・・・・・・劇場まわりの人件費の相場がいまいちわからないので、以下とんちんかんなことを言っているかもしれませんが。

劇場付スタッフ(支配人兼舞台監督・音響・照明)の日当+水光熱費=5万円
俳優×2名の日当=3万円
その他制作等スタッフ×3名の日当=3万円
チケット一枚の料金=2500円
(5万+3万+3万)÷2500=44名

おお、少ない!44名なら十分少ない!
常に満員御礼という訳にはいかないし、固定費も回収しなければならないので最低60~80の客席が必要でしょう。
舞台費・小道具費・稽古場代などの固定費が30万円とすれば、毎回44名のノルマに加えて120名が来場すれば回収できます。なので50名が来場する回が20回あれば良いのですね。・・・・・・2ヶ月のロングランなら土日は16回ある計算ですが。ちなみに60名が来場する回が7.5回でもいけます。

「仕事終わりに映画でも観るか」と同じ様に「仕事終わりに芝居でも観るか」という文化があるかないかがモノを言っている気がします。その意味でAKBの常設劇場はえらいなあと思いますが、倍率高過ぎて全然チケット取れないですよねあれ。
とにかく、今その文化が無いことを嘆いてもしょうがないので、とりあえず平田オリザ氏の本を読んで考えましょう。

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