トカゲなる日々

劇団万国トカゲ博覧会の生態

黙っている権利

ペナック先生の愉快な読書法」という本を読みました。小説家にして国語教師、かつ一家の父である著者が、子供の読書嫌いへの対処法について書いたエッセイで、本国の国語教育界ではなかなか有名な本なのだそうです。子供でも大人でも、読書が好きでも嫌いでも、手に取ってみて損はないと思います。
本稿のタイトルは、作中に掲げられた『読者の権利』の第十条に当たります。他の九条もなかなか興味深いのですが、本条の主張では、全ての読者には読んだ本について黙っている権利があるのだそうです。
つまりは読書感想文を書かされるばっかりに読書嫌いになる子供への弁護なのだと思いますが、ソーシャルリーディングに興味のある私としては、なかなか心動かされるフレーズでした。

ソーシャルリーディングとは本の感想をWeb上で共有すること、言わば読書会をWeb上でやる様なものです。読書メーターの様な、それを目的としたサイトでなくとも、読書感想文をわざわざブログに掲載する人は決して少なくありません。というよりインターネットの普及によって、そういったことが手軽に行える様になったと言えます。
けれども読んだ本の感想を人に言うことは、その習慣がなければ日常的にはやりませんし、習慣がある人でも感想を短文できれいにまとめられないことは往々にしてあります。本の感想を人に言いたくない場合だってもちろんあります。その本が本当に本当におもしろかった場合は尚更です。
つまり、当然のことではありますが、どれだけ込み入ったソーシャルリーディングが行われようともそれはあくまで読者の氷山の一角にしか過ぎず、インターネットというツールがどれだけ発達しても、そういった問題(?)はいつまでも残るんだなあと、改めて思った次第なのでした。。ツールの発達によって感想を言い合うことへの敷居は低くなったとは思いますが、今度はいかに閲覧数を上げるかみたいな競争になっている気もするんですよね。
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